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21日は久々にUIP試写室へ。大好きなキャメロン・クロウの最新作『エリザベスタウン』を観る。
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事前にクロウ監督のメッセージビデオを見せられたのだが、もうこれだけで、ウルウルきてしまう。とはいえ、クロウが亡き父の故郷を訪れたときの体験を基に書いた物語なのだが、決して悲しい話ではないし、笑いもたっぷり。なのに映画が始まると、前半から、もうウルウル。
その理由は後述するとして、映画は仕事で挫折したオーランド・ブルームふんするドリュー(1000億円の損害を会社に与えてしまうのだ)の再生の物語。彼が試みる自殺の方法がなかなかお間抜けで、自嘲気味なナレーションは『アパートの鍵貸します』のジャック・レモンを思わせる。
「失敗と大失敗はまったく違う。失敗は取り返しがきくが、大失敗は天地を襲う災厄だ」(はっきり覚えてないけど、こんな感じ)とかいかにもレモンが言いそうなフレーズで、このあたりはビリー・ワイルダーを敬愛するクロウらしい。
黒髪(おそらくこれが彼の地毛)のオーリーは、なんと稲垣ゴローちゃんにそっくり!
今までコスチュームものが多かったから気づかなかったけど、この二人、ちょっと奥目がちなところや、びくついたような表情、あごのライン、天然パーマの具合など、くりそつじゃないか。もうひとつ、体に対して腕が長くて、ちょっともてあまし気味のところとかも。
いやあ、オーリーも好きだけど、ゴローちゃん大好きな私としては、意外な発見に映画とは別な部分で萌えまくってしまった(笑)。あ、オーリー=吾郎説は、あくまで私見です。
そしてクロウいわく「積極性のカタマリ」のようなスチュワーデスのクレアをキルスティン・ダンストが演じているのだが、これがいいのよ。一歩間違えると、うざったい女の子なんだが(客のオーランドに好意を持ち、何かと世話を焼いてくる)、これを決して美人ではないキルスティンが嫌味なく演じている。
クロウの描く女の子は、とんでもなく前向きな子が多いのだが、きっと監督の女性の好みなんでしょうな。こういう女の子を好きな人が、私は本当に好きだ。あはは。つまり私もどちらかというと、そういうタイプなんで。クレアのように逆ナンはしないけど。
でもさ、こういう女の子は現実には疎まれる場合も多いわけよ。それはたぶん、単に前向きなだけではない、余計なお荷物がいろいろくっついているからなんでしょうが。ま、私はもう女の子じゃないし、キルスティンのように可愛くもないけど。おっと、自分語りになってしまった。
映画に話を戻すと、こういうクレアみたいな子は、他の映画だとヒロインの親友になっちゃう。それをヒロインにする、クロウの女性観というのが、とても好きなんだよな。キルスティンも美人ではないが(くどい)すごくキュートで、『スパイダーマン』のMJより、数段魅力的に見える。キャメロン・クロウが描く、楽天性という皮で繊細さという餡を覆った女の子、つまり大福ちゃんの持つ複雑な旨みがうまく出ている。あ、私はもちろん塩大福が大好きです。やっぱり、ちょっと塩辛くなくちゃね。餡は絶対に粒餡でお願い。
スーザン・サランドン演じるドリューの母なんざあ、もっと塩が効いていて、これまた魅力的。クロウが女系家族に育ったであろうことが、よくわかる。
オーリーは、泣き顔がいいね。そのへたれっぷりに心をつかまれた。顔は吾郎ちゃんに似てるのに、いつの間にかクロウにも見えてきてしまう。
ちなみにクロウの妻は、元ハートのナンシー・ウィルソン。ウィルソン姉妹の妹のほう。彼女が音楽監督を担当しています。トム・ペティをはじめとした選曲もいい。
ということで、今年の私のベスト3入り、決定!
(あと2本は『ミリオンダラー・ベイビー』と『ライフ・アクアティック』)
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